素晴らしきこの世界

突然だが、来週くらいに第二子が誕生する予定だ。
もう妻のお腹は巨大風船みたくパンパンに膨らんでいる。
お腹を触ると、ボコボコとお腹を蹴ったり、ビクッビクッとしゃっくりをしていたり、かなり活発に動き回っているのが分かる。
音楽を聴かせたりすると、その音が聴こえるのかその動きは更に活発になる。
赤ちゃんをその体内に宿すことの出来ない男の僕は、そんな所から小さなその命が確かに宿っていることを知ると同時に、生命の不思議さを想うのである。
その不思議さというのは、神秘なるものへの憧れのようなものかもしれない。
それは何億という精子がたった一つの卵子と出逢うことなのかもしれない。
あるいは、精子と卵子が出逢ったその先から、壮大で困難な生命の進化の道を歩み、一人の人間として成長するその過程のことなのかもしれない。
いずれにしても、僕達がこの世に誕生するということは、本当に神秘的であると同時にイバラの道だったということを、僕は今、妻の次くらいに思っているのである。

今、第二子はそんなイバラの道を駆け抜け、もうすぐこの世に出る準備をしている。
心地いい母のぬくもりの中を敢えて出て、このどうしようもない世の中に出ようとしている。
だから頑張って出てきた暁には、僕はこの子の親として、このどうしようもない世界だけど、でも素晴らしきこの世界をたくさん教えたいと思う。
だからどうか安心して出てきて下さい。